久森匠燿の音楽日記


何から聴けばいいのかわからず他人に頼ったけど、ちょっとだけ救われた話(2023/8/12)

前回、音楽を「頭で聴く」のではなく動物的な本能や感性で聴いて感じることの大切さを教えてもらった話をしました。

「じゃあ、せっかくだからクラシック音楽を何か聴いてみよう」となったんですが、残念ながら知識ゼロ。何から聴けばいいか見当もつきません。

そこで、また別の動画を見てみました。

【音楽談話75】本物の芸術が知りたい!どうすれば分かるようになる?本物の芸術に近づくための方法とは?
https://www.youtube.com/watch?v=8WhfEBXo5XM

ここでは芸術を惑星や地球のような大きな球体に例えて、様々な角度から芸術というものを眺めて全体像を把握することの大切さが語られています。

そして、出てきましたよ。

本物の芸術を知るには、ベートーヴェンやシューベルトをたくさん聴いて、ベートーヴェンにとっての芸術とは何だったのか、シューベルトにとっての芸術とは何だったのかを理解するのが重要

「よし。それじゃあ、ベートーヴェンとシューベルトを聴こう!」

まあ、そんな思考停止状態でいいのか怪しいものですが、自分にとっては聴くキッカケがほしかったので単純な話でした。

とはいえ、それでもベートーヴェンだけでもいっぱい曲があり、シューベルトもまた然り。じゃあ、何を聴こうか…

ためしにYouTubeを検索してみると、なんちゃらソナタ、弦楽なんちゃら、なんちゃら協奏曲…と、とにかくその量に圧倒されてしまいました。

そこで、また見つけたのがこの動画。

【音楽談話14】聴き込みのすすめ!音楽を何度も聴いてお気に入りの一枚を!!
https://www.youtube.com/watch?v=JQoB6Svf48Q

1曲を繰り返し聴けばいい、しかも1曲を繰り返し聴き込む方がその作曲家との距離は近づく、というではありませんか。

本物の芸術を知りたい、そのためにベートーヴェンやシューベルトを理解したい、それには色々聴き散らかすより1曲を聴き込む方がよりその作曲家との距離が近づく、という言葉には大きな希望が感じられてとても安心しつつ、同時に妙に納得した自分がいました。

というのも、この「同じ曲を繰り返して聴く」という行為は、自分が学生時代にギターを弾いてバンドをやっていたときに体験済みで、その効果を実感していたからです。

自分でコピーして演奏したかった曲が、譜面が市販されていない海外の曲ばかりで、自分の耳で音をとる、いわゆる俗に言う「耳コピ」で採譜しないといけなかったので、1曲を繰り返し聴くということには慣れていました。

さらに、大学で入った音楽サークルでは仲間のベーシストが未経験の初心者だったため、ベースのパートも音を取って教えてあげたりしていて、そんなふうに他人の分まで聴き込むことでこの動画で言われている「音楽が体に入った」という体験が自然と味わえました。

結果として、その曲を自分のモノにすることができていたのか、気持ち的にも技術的にも余裕を持って演奏できたことを覚えています。仲間のために一生懸命聴いたつもりが、一番恩恵を受けていたのは自分自身だったわけです。

よし、それじゃあ、どの1曲を聴き込もうか?

それについてはまた次回ということで。

トップに戻る